祝い事のシャンパン

お祝い事でシャンパンで乾杯するシーンは、そこかしこで見られます。ヨーロッパでは特にクリスマスや新年のお祝い、記念パーティーでシャンパンがよく登場します。

シャンパンが祝い事のイベントで飲まれるようになったのはいつから、そしてどのような理由があるのでしょうか。

上流階級から広まったシャンパン

最初にこの慣習を作るきっかけになったのは、実はシャンパンそのものではありませんでした。シャンパン生産地のフランスで、最初にシャンパーニュ地方のワインを楽しむようになったのは、王族や貴族などの富裕層でした。

シャンパーニュ地方のランス・ノートルダム大聖堂で行われた歴代国王の戴冠式では、地元名産のシャンパーニュワインが振る舞われたのです。

17世紀末にシャンパンが作り出されてから、王侯貴族が特別な時に飲むシャンパーニュワインは、シャンパンへと変化していきました。ここから、「シャンパンはめでたいことを祝う時に飲まれるもの」というイメージが定着し、現在に至ります。

シャンパンと普通のスパークリングワインの違いについては、「シャンパンとは何か?」の記事をご覧ください。

シャンパンが意味するもの

そんなシャンパンの慣習を作り出したフランスでは、今でもシャンパンに関するさまざまな言い伝えがあります。

例えば、シャンパンをグラスに注ぐと立ち上る泡は、「絶えない泡」が「絶えない幸せ」を意味し、また泡のはじけるパチパチという音が拍手で幸せを祝福する意味合いを持っているとされます。こうした面でも、シャンパンはお祝いとのつながりが密接にある飲み物なのです。

またシャンパンを開ける時に「パン」と上がる盛大な音は悪魔を祓う音だともされています。このことから、縁起担ぎの意味もあるようです。